関連するSDGs目標
概要
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地域再生計画の目標
【地域の現状と課題】
大槌町は三陸海岸のほぼ中央に位置し、西に北上山系を背負い、標高1,173mの白見山を最高とする標高700~1,000mの山嶺が西側の町境に連なり、標高610mの鯨山が沿岸部北側の町境となっている。東は太平洋に接し、リアス式海岸によりV字型の大槌湾、船越湾によって屈曲に富んだ海岸線となっているが、北上山系が海岸線まで伸びているため平野部の少ない地形となっている。三陸の沖合は、黒潮(暖流)と親潮(寒流)、津軽暖流(暖流)の3つの海流が近接することによって、良好な漁場が形成され、「世界三大漁場」の一つである北西太平洋海域に含まれる。
主要河川は大槌川(12.5㎞)及び小鎚川(11.8㎞)1で互いに平行して北西から南東に流れ大槌湾に注いでいるが、大槌町の市街地はこれら両河川の河口部に発達し、その他の集落も両河川に沿って、または海岸沿いの狭い平地に形成されてきた。大槌町の総人口は昭和54年の21,307人をピークに40年間減少を続け、さ
らに、東日本大震災津波による甚大な被害を受けたことや、長引く避難生活が要因となり人口が大きく減少したため、平成27年10月1日時点の国勢調査によると総人口は11,759人で、平成22年の15,276人から3,517人(23.0%)減少し、県内市町村において最も高い減少率となっている。なお、住民基本台帳によると令和3年4月末には11,281人となっている。また、国立社会保障・人口問題研究所による推計によると、令和42年には4,766人になることが見込まれている。世帯数については、平成12年には最大の5,850世帯となったが、その後は減少に転じ、令和2年(令和2年度国勢調査速報値)では4,533世帯となっている。自然動態については、1990年代前半頃から出生数よりも死亡数が多い「自然減」の状態となっており、令和元年では139人の自然減となっている。合計特殊出生率では、平成30年には1.86となっている。
社会動態については、ほとんどの年で転入数よりも転出数のほうが多い「社会減」の状態にある。令和元年では転入数298人、転出数375人で77人の社会減となっている。大槌町の高齢化率は平成27年には34.1%で、令和12年には43.2%となり、高齢化が今後も進行することが予想されている。また、大槌町の高齢化率(34.1%)は岩手県の30.2%、全国の26.6%よりも高い数値となっている一方で、15歳未満の年少人口割合は10.1%で、岩手県の11.9%、全国の12.6%よりも低い状況にあり、令和12年には9.1%となり少子化が進行すると予想されている。このように、人口減少及び少子高齢化が進行すると、住民税等の自主財源の低下、地域経済の縮小等をもたらし、それがさらなる人口減少につながっていく可能性があることから、急激な人口減少を回避し、緩やかな減少となるような施策が強く求められている。人口減少や人口構造の変化は、町民所得や産業・就業構造にも大きな影響を与えている。
一人当たり市町村民所得について、震災前には1,800千円から1,900千円程度を維持してきたが、東日本大震災津波が発生した平成23年度には急激に落ち込み1,300千円台となり、県内33市町村における一人当たりの市町村民所得の順位も、震災後の平成23年度から平成25年度までの3年間は大槌町が最下位となった。大槌町の就業人口は、総人口の減少と共に減少を続けており、平成27年は5,738人となっている。
第1次産業と第2次産業の就業人口は減少傾向にあり、第3次産業は平成12年までは4,000人前後と横ばい傾向にあったが、その後は減少し、特に東日本大震災津波によって事業所等が減少したことに伴い、平成27年には3,160人にまで減少している。就業人口の割合を比較すると、第1次産業は継続して減少し、平成7年と平成27年を比べると6.4ポイント減少しているのに対して、第3次産業は4.7ポイント増加している。
大槌町を含む近隣の釜石地区では、平成22年度の有効求人倍率が0.39倍だが、東日本大震災津波があった平成23年度以降は、平成25年度まで継続的に増加傾向にあり、1.40倍まで増加している。その後一度落ち込むが、継続的に1倍以上となっており、平成29年度には1.52倍で平成22年度から1.13ポイント増加している。上昇の要因として、復興事業の本格化による求人数の増加や、有効求職者数の減少が影響しているためと考えられる。
また、被災地全体を通して食料品製造業(水産加工業)の雇用者数が震災前の水準まで回復していない状況にあり、雇用のミスマッチが生じていると推察される。このことからも、町内の雇用吸収力が低いことや魅力ある都市機能を備えた生活環境の整備の立ち遅れなどにより、特に若年者の都市部への流出によって社会動態による人口減少に拍車がかかっていると考えられているため、従来の産業構造に因ることのない抜本的な対策が必要になっている。
【目指す将来像】
大槌町では、東日本大震災津波による被害からの復旧・復興に今後も取組む中で、重要課題である人口減少の加速化や少子高齢化の進展など、社会情勢の変化にも対応していく必要がある。これまで取組んできた魅力あるまちづくりをさらに進め、大槌町独自のにぎわいを創出するとともに、人との繋がりを大切にした誰もが安心して暮らせるまちを目指していく。
そのためにも、町民一人ひとりがお互いを大切にし、育て合い、新たな視点で地域の魅力を創造するとともに、生活の基盤となる産業の活性化を最優先に進めていく。さらに、着実な復興に向け社会生活、教育文化、空間環境に関する施策を効率的・効果的に実践していく。また、豊かな自然、先人たちが磨いてきた文化を感じることで、大槌町で生活することに誇りを持てる価値観を醸成していく。
【基本目標】
当町の「まちづくりの基本理念」である「魅力ある人を育て、新しい価値を創造し続けるまち大槌」を実現するため、町を取り巻く社会動向、町民アンケート調査結果などから町の将来像を次の5つの視点から示す。
(1)産業・観光
(2)健康・福祉
(3)教育・文化
(4)安全・快適
(5)地域振興・行財政運営
また、本計画期間中、大槌の未来を切り拓く基本方針を分野別に以下の通り定め、取組んでいく。
基本目標1産業を振興し町民所得を向上させるまちづくり
基本目標2健康でぬくもりのあるまちづくり
基本目標3学びがふるさとを育てふるさとが学びを育てるまちづくり
基本目標4安全性と快適性を高めるまちづくり
基本目標5将来を見据えた持続可能なまちづくり