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概要
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地域再生計画の目標
【地域の現状と課題】
(地理的・自然的特性)
宮城県は、日本の首都東京から約300キロメートル北東、東北地方の中心に位置している。東は太平洋に面し、豊かな漁場と日本三景の一つ松島をはじめとする風光明媚な観光地などに恵まれている。西には蔵王・船形・栗駒などの山々が連なり四季折々の姿を見せ、中央部には有数の穀倉地、仙台平野が広がっている。このように海・山・川・平野が調和した自然環境が、豊かで暮らしやすい宮城県をつくりだしている。
(人口)
本県の人口は、平成15年(2003年)の推計人口の237万1,683人をピークに減少に転じている。平成22年(2010年)の国勢調査による宮城県の人口は、234万8,165人で、老年人口(65歳以上)は、1990年代以降急速に増加し、平成12年(2000年)の国政調査時に年少人口(14歳以下)の割合を超えた。平成24年(2012年)及び平成25年(2013年)には、東日本大震災に伴う復興需要の影響もあり微増したが、平成26年(2014年)に再び減少に転じた。その主な要因は、出生数と死亡数の差である自然減によるものである。本県の社会増減は、1970年代以降、概ね転入超過傾向が続いたが、平成12年(2000年)以降、転出超過に転じている。この間、ほぼ一貫して仙台都市圏は社会増、その他圏域は社会減が続いており、平成24年(2013年)以降は県全体として社会増となっているが、特に沿岸被災市町や中山間地域の社会減が大きい状況にある。
(観光)
本県の平成30年観光客数は20年比で13%増の64,224千人、宿泊者数は17%増の9,407千人に増加したが、松島湾地域では観光客数9,214千人、宿泊者数975千人と20年から横ばいで推移しており、観光客数、宿泊者数ともに伸び悩んでいる。また、リーサスによると松島町内では景色が見えなくなる夜間の流動人口が昼間の2割まで急減する。このことは、松島湾地域の観光の実態が、観るだけで素通りされ、観光客が足を止めてまで「欲しい」と思わせるだけの魅力的な商品の創出やサービスの提供が求められている。
(産業)
本県の主要産業は水産業であるが、東日本大震災の津波でほぼ壊滅した生産設備は震災前の状況に復旧したものの、漁業従事者は403経営体と、平成22年比で6割まで減少しており主要産業であるはずにも関わらず漁業従事者数が不足している。また、平成30年の生産量も14,340㌧と平成22年比で6割に留まっており、対策が求められている。
【目標】
これらの課題に対応するため、まず、短期的に、人材が定着するための環境づくりに取り組み、首都圏等への人口流出に歯止めをかけるとともに、観光や産業分野において、中長期的展望の下、多種多様に変化する時代のニーズに対応し、変革を続けながら、それぞれの地域でAI、IoT、ビッグデータ等の先進的技術を活用した生産性の向上や、高付加価値化を実現する産業構造の構築等を進め、労働者にとっても魅力的な「質の高い雇用」を創出し、持続的な社会を築いていく必要がある。また、定住人口の減少によって生じる地域消費の減少を補うため、地域資源や観光資源等を磨き上げることで付加価値の向上を図るとともに、観光産業の更なる成長・発展によって交流人口の拡大を目指すことが必要となっている。