関連するSDGs目標
概要
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地域再生計画の目標
4-1地方創生の実現における構造的な課題
牧之原市はこれまで大規模工場などの企業誘致を主要な施策として進めてきた。その結果、スズキ株式会社を初めとする大手企業の大規模工場が立地し、製造品出荷額は1兆円規模、昼夜間人口比率は110.5%(H27国勢調査)など、周辺市から市内の工場に多くの人が通勤する構造が生まれている。多くの人が通勤する流れがある一方で、直近の市民意識調査においては、鉄道駅があり交通の利便性や商業・サービス業などが充実した周辺市に比べて、暮らしの魅力に乏しいと考える傾向が確認でき、小さな子どもを持つ女性世代への聞き取り調査でも昼間子どもや友人と滞在できる機能が不足しているという意見が多い。直近の国立社会保障人口問題研究所の推計人口においても、市民全体、若者世代の両方で周辺市に比べて人口減少が進む予測がされているなど、企業誘致の成果が定住に繋がっていない。また、当市は、平成17年に同規模の2つの町が合併して誕生した市であり、その旧町も複数の村が合併したものである。まちの中心地という概念や商業・サービス業の特色が無く、鉄道駅の駅前のような拠点もない。都市部のような物の豊かさを求めるまちづくりでは、鉄道インフラなどの立地環境に優れた周辺市に対抗できない。現在、自動車産業の好調さを背景に、人口社会減は一時的には抑制されているが、魅力的な暮らし方がこのまちで実現できなければ、工場があっても人は減り続け、まちの活力は下がり続ける。
暮らしに関する魅力は、公共サービスだけでなく、飲食・物販・体験などの民間が担うサービスと連携してこそ高めることができる。当市では、これまで市政への市民参加や市民協働を主要な施策として進めてきたが、参加することで市民の町への愛着や理解度が高まったとしても、暮らしの魅力に係る具体的なサービスや環境が変化していかなければ、若者世代の流出は止まらず、人口の先細りなど、市政の持続性に関わる課題が益々深刻化していくことが懸念される。これまでの取組は、税収の確保、働き場の確保、市民の市政への理解や愛着の醸成という点では効果を発揮したが、現状で課題と認識する若者世代の定住に繋がるサービスや住環境の充実には、もう一歩踏み込んだ連携・協働の手法を講じる必要がある。民間投資が次々に進む他市町とは状況が異なるため、可能性の低い民間投資を待つのではなく、積極的に課題解決に取り組む。これまで培った企業誘致や市民協働などのノウハウを活かし、公共と民間がそれぞれの特性や得意分野を活かして連携して、より豊かに日常生活が送れる住環境の実現に取り組むことで、物の豊かさだけではない暮らしの魅力を生み出し、現在住んでいる市民の暮らしの満足度を高めることや、都市部に出ていき戻ってこない人の流れを抑制するなど、まちの賑わいづくりが可能であると考える。
4-2地方創生として目指す将来像
当市は、美しい海岸や茶畑などの自然環境、新鮮な農水産物が豊富にあるとともに、空港、御前崎港、高速道路などの交通インフラや市の財政や市民の暮らしを支える企業などの多くの資源を有している。一方、市民からは、鉄道駅のない地方都市でも、友人、家族や子どもと豊かに暮らせるような住環境の整備に対するニーズが高まっており、地域資源や自然環境を活かして、物の豊かさから、より健康的でやりがいのある暮らしが実現できるような地方創生の取組を一層進めていく必要がある。このことから、当市では、今の社会や若者のニーズに合った自立型のまちづくりを行う市政運営の仕組みをつくるとともに、市民が望む暮らしや働き方のきっかけとなる集いの場、魅力的なサービスや空間を提供する施設の整備を民間と連携して実施する。また、当該施設は、公民連携による様々なサービスの創出、提供の拠点となることで、当市の魅力を最大限に発揮し、情報発信することで、現在住んでいる若者世代の流出抑制、移住者の増加、市の持続性の確保に繋がるものとしていく。今回の「豊かな暮らしの創出に係る交流・学びの拠点整備」事業は、そのための第1歩として企業版ふるさと納税を活用して実施するものであり、今後、市内各所に横展開するための先導モデル施設として取り組むものである。