関連するSDGs目標
概要
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地域再生計画の目標
地域の現状
徳島県阿南市(以下「当市」という)は、県庁所在地の徳島市に次いで県内第2位の人口を有しており、県南の行政・経済の中核を担っている。東の紀伊水道に面した海岸線一帯は、阿南室戸国定公園に指定されており、日本の渚100選に認定された海水浴場や「阿波の松島」とも称される風光明媚なリアス式海岸の橘湾を有し、湾内から四国最東端の蒲生田岬までの間には、阿波水軍の歴史を感じられる情緒豊かな海岸線がある。ほかにも空海行脚の道として史実が残る四国最古の遍路道や国内最古の辰砂鉱山遺跡といわれる若杉山辰砂採掘遺跡、一級河川の那賀川など、海・山・川を有する自然豊かな都市である。産業においては、大企業をはじめとして、中小、ベンチャー企業等が企業集積しており、製造業中心の構造、雇用基盤となっている。
地域の課題
こうした豊かな自然環境や恵まれた雇用環境を有した地域であるものの、以下のとおり、超高齢社会に伴う人口減少やこれに伴う地域産業の衰退などの課題も顕著に現れてきている。
(1)超少子高齢化による人口減少
当市は、戦後の復員やベビーブームに伴って1947年に人口が大きく増加し、1950年には83,804人とピークを迎えている。その後は減少傾向となり、1970年には76,607人となっているが、この原因は高度経済成長期に伴い、首都圏等他地域への人口流出があったためと考えられる。1970年以降の、いわゆるバブル経済期へ向かう安定成長期は、再び人口が増加し、1980年には82,715人となっている。1985年(82,247人)以降は、人口は緩やかな減少傾向で推移し、2015年の実績値73,019人から2045年には推計値50,622人となり、実に30.7%もの総人口が減少すると予想されている(経済RESASより)。年齢3区分別の人口構造の推移についてみると、老年人口が1980年の11.6%から2010年には26.8%と30年間で15.2ポイント増加している一方で、年少人口は22.5%から13.5%と9.0ポイント減少しており、少子高齢化が進行していることがわかる。過去5年間の県外からの移住実績は、2015年度93人、2016年度118人、2017年度235人、2018年度284人、2019年度324人と推移しており、右肩上がりで伸びている状況である。しかしながら、前述のとおり、本市の人口は減少傾向にあることから、県外からの移住者数をより増加させる取組が必要である。
(2)地域産業の衰退・地域事業者数の減少等
事業者数は、2009年調査では3,508件に対し、2016年は2,915件と16.9%の大幅な減少となっている。かつては徳島杉で栄えた製材業も影をひそめ、現在、唯一の地場産業である海運業も高齢化や船員の確保が難しく衰退傾向にある。個人の消費マネーの動向においても、消費を促す魅力ある商品やサービスを提供する事業者が少なく、年間200億円以上が地域外で消費されている(経済RESASより)。
(3)地域を牽引するリーダー(ソーシャルビジネス)の不在
当市における宿泊者数は、2018年102,518人、2019年166,579人となっており、宿泊者数自体は増加している(一般社団法人四国の右下観光局調査結果)が、これは、昨年、市内に大手ホテルチェーンがオープンし、ビジネス利用が増えたことが大きな理由であり、観光客数の増加によるものではないと考えられる。当市としては、各地域団体等と連携し、地域おこし協力隊を配置し、地域資源の掘り起こし及び情報発信等に取り組むなど、各地域の実情に応じた地域活性化に向け取り組んではいるものの効果は限定的で、「観光による宿泊者数を増加させる」という従来の課題解決に向けた糸口が掴めていない。
(4)地域資源に対する市民の認識不足
当市が市民に実施した魅力について尋ねたアンケートによると「豊かな自然環境に恵まれている」が55.7%と最も多い一方で、「観光資源やレジャー施設が豊かである」は0.4%と最も少ない結果となっている(阿南市総合計画基礎調査より)。自然資源という十分な観光資源はあるものの、「観光で稼ぐ」意識が希薄であり観光分野において大きく立ち遅れている。また、当市の主要な観光施設の入込客数は、2018年782,208人、2019年759,436人で、前年比で約3%減少している。当市の観光分野が他の自治体と比べて遅れをとっている要因のひとつとして、「周知PR力の弱さ」も考えらえることから、民間団体等と連携した観光プロモーションを実施する必要がある。
(5)地域内における機会損失
当市では、「野球によるまちおこし」を掲げ、2010年、市役所内に「野球のまち推進課」を設置し、イベントやツアーの開催などによって、年間10,000人以上が来市し、交流人口の増加に対して一定の成果を上げている。さらには、2020年4月からスタートした「阿南SUPタウンプロジェクト」によって、交流人口はもとより、関係人口の創出・拡大も図られていることから、今後は、経済の動態を把握した上でチャンスロスを減少させていくためのアクションが重要となっている。
目標
このような現状であることから、地域の資源として可視化されていない豊かな自然資源を活かしたアクティビティ体験と特徴ある歴史文化を組み合わせた観光コンテンツを開拓、商品化し、市内の観光関連事業者、宿泊施設、飲食店等と連携し、観光による地域経済の拡大を図る。