関連するSDGs目標
概要
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地域再生計画の目標
地域の現状
人口
本市の人口は、1955年の42,675人をピークに減少しており、2015年国勢調査結果は29,509人まで落ち込んでいる。国立社会保障・人口問題研究所によると、2045年には2015年比で総人口が約57.6%となる見込である。
自然動態については、死亡数が増加する中、出生数が減少しており、2018年は250人の自然減となっている。また、社会動態については、20年以上にわたり転出者が転入者を上回っている状況であり、2018年は24人の社会減となっている。年齢階層別にみると、2017年において10歳代後半と20歳代前半でそれぞれ-31人と-64人で、大きく転出超過となっている。
人口の減少は、本市の基幹産業である農業の衰退に伴い、雇用の機会が減少したことから若者が市外へ流出したことなどが原因と考えられる。
産業
当市の産業の現状について、内閣府から報告されている経済指標(製造業、小売業、卸売業、農業、従業者、事業所、課税所得、財政力の状況について指標化し、2000年と2010年で比較したもの)を見ると、当市の指標は-2.6と地域経済が衰退している状況であり、また福岡県内60市町村の中で48番目という低いランキングとなっている。
当市の産業構造について、産業別人口(大分類)からみると、もっとも就業者数が多い業種は製造業(17%)、次いで卸売業・小売業(16%)、農業・林業(15%)、医療・福祉(13%)となっている。特化係数についてみると、農業・林業が4.17ときわめて高くなっており、次いで複合サービス事業の2.26となっている。このほか、1を超える業種については、特化係数が高い順に医療・福祉、建設業、製造業となっている。農業では、江戸時代に潅漑用水が確保されて以降、大きく発展を遂げたが、農業生産の特色としては、農業産出額に占める果実の割合が高いことである。全国平均が8.8%、福岡県全体では11.6%であるのに対して、当市の場合34.1%を果実が占めている。当市の農業産出額は県内で7位であり、けっして大きな産地ではないが、産出額の多い順に品目を見ると果実が上位に入っており、当市の農業の特色がより鮮明に見えてくる。具体的には、1位が柿、3位がぶどうとなっているが、ぶどうについては2位の米と拮抗しており、うきは市の農業における果実の果たす重要性を見て取ることができる。
ただし、農林業センサス調査によると、本市の農業産出額の総額は2014年に89億円だったが、2017年は84億円と減少した。さらに総農家数は1990年に3,444戸だったが、2015年は1,377戸となっており、農業の担い手も著しく減少しているのが現状である。
観光
本市は、福岡県の南東部に位置し、福岡市内から車で小一時間の場所にある筑後川と耳納連山に挟まれた街である。江戸時代に豊後街道の宿場町として栄え、1996 年に伝統的建造物群保存地区に選定された吉井地区では白壁土蔵の建物や水路が残り、当時の面影を偲ばせている。
近年は、観光入込客が増加しており、2010 年の入込客数は 190 万人であったが、フルーツ王国としてプロモーション活動や森林セラピーツアーなど各種観光イベントを展開して、2017 年の入込客数は 229 万人となっている。
ただし、宿泊客を見ると、毎年4万人前後で推移しており、入込客数に占める割合は2%程度と圧倒的に日帰り観光が中心である。また、入込客を県内・県外別に見ると、県外からの入込客は 25%程度であり、海外を含めたより広域的なエリアから集客することができていない状況である。
地域資源
九州北部は6世紀後半頃に造られた装飾古墳が密集しており、本市には現存する国指定装飾古墳73基の1割にあたる7基が分布している。このうち4基の装飾古墳は屋形古墳群と称され、430mの狭い範囲に集中している。中でも珍敷塚古墳の壁画は特に有名であり、日本原始美術の祖とも称賛され、考古学上のみならず美術史上でも貴重な史跡である。さらに、古墳の多くが耳納連山の丘陵地帯に分布するが、同地帯は現在フルーツの一大生産地となっており、古墳と果樹園が混ざり合う全国的にも珍しい地域である。
珍敷塚古墳は、覆屋が1970年に県内でいち早く建設されたが、コンクリートブロック造で老朽化が著しく、駐車場は未整備で3台分しか確保されていない。また、覆屋が老朽化し適切な管理が難しいことから、古墳の公開を原則月に1度の公開見学日のみに止めており、2019年度の古墳見学者は174人となっている。さらに、屋形古墳群のうち残りの原古墳と鳥船塚古墳は、覆屋が気密性を欠いており保存環境が悪く、古畑古墳は覆屋もないため、いずれも公開はされていない。このように屋形古墳群は全国に誇れる装飾古墳群でありながら、その価値を上手く活用できていない状況である。
地域の課題
本市では、基幹産業である農業の衰退に伴い、雇用機会の減少やより高い収入が得られる就業の場を目指して若者を中心に市外転出が続いている。このまま人口減少が進み、特に若年層の流出が進めば担い手不足が加速し、農業をはじめとするあらゆる産業で衰退が進み、地域経済が縮小していく状況である。
また、観光面では、白壁の街並みやフルーツ王国として観光振興を図ることで、福岡都市圏を中心に本市への日帰り観光入込客が増加している一方で、屋形古墳群は全国に誇れる装飾古墳群でありながら施設の老朽化や駐車場の不足、公開の制限などにより、その魅力を発揮できず市民を含めて多くの人々に訴求できていない。
全国に誇れる古墳として屋形古墳群周辺を整備し、市の基幹産業である農業や観光と密接に結び付けて果樹園と古墳群が混ざり合う丘陵地帯のシティプロモーションを展開し、観光入込客を増加させ、観光業や農業関係者を中心に所得の向上を図り、地域経済の衰退を食い止め、本市の人口減少に歯止めをかける必要がある。
目標
前述の課題に対応するため、屋形古墳群を筑後川流域に点在する装飾古墳のメ インガイダンス拠点と位置づけ、全国に誇れる古墳として整備する。また、史跡 地周辺の農地や林地について環境保全や農村景観との調和などに配慮した農林業 生産基盤を整備し、観光客の受け入れ体制を整える。その上で、市内DMOを中 心に果樹園と古墳群が混ざり合う丘陵地帯の観光イベントを展開する等、観光と 市の基幹産業である農業を密接に結び付け、丘陵地帯の魅力を広く発信し、古墳 群や農産物ブランドの認知度向上と地域資源の価値を高めて観光客の増加を図る。 さらに、古墳や市内の地域資源に関連した付加価値のある商品やサービスを開発、 展開し、観光客に訴求させるとともに地域での購買単価を上昇させ、観光業や農 業関係者を中心に所得の向上を図り、それを市内外にPRすることでUIJター ン者を呼び込み、市内雇用の維持、確保及び改善を図り、本市の人口減少に歯止 めをかける。