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概要
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地域再生計画の目標
【地域の現状】
本町は、北部九州のほぼ中央、佐賀県東部地域に位置している。地理的には、北部の脊振山脈から続く山地、丘陵地から南部の平野部を介して、九州最大河川の筑後川中流部に面している。佐賀県東部地域の地勢の特徴として、福岡県に突出している形状であるため、本町においても、北域・南域ともに福岡県と接する特性を持つ。南北に長い町域は、山地から平野部までの風景を網羅でき、いくつかの筑後川支流が形成する景観は、古くからの住民の原風景となっている。歴史的にも吉野ヶ里遺跡の近郊ということで、古代から中近世にかけての遺跡や神社仏閣が多く存在する。文化的には地理的要件に起因し、福岡県南部の筑後地方との関係が深く、近世以降、旧佐賀藩領と筑後地方との文化的融合地として、反映してきた歴史がある。
その影響は現代にも残っており、商業圏としては、東隣である佐賀県鳥栖市もしくは筑後地方の主要都市である福岡県久留米市の商業圏に、本町も組み込まれている。本町の人口は、2012年度より定住対策に力を注いできた効果が2018年より漸く結実し始めており、毎年10月1日を基準日とした町独自の人口動態調査では、2018年10月に23年ぶりに人口増に転じ、2019年10月には、7年連続転入超過、
2年連続人口増を記録している。老齢人口は2015年の段階で8,335人となっており総人口に占める割合が33%と全国平均より6.4ポイント上回っている。増加率も2005年の24.1%に対し、10年間で8.9ポイント上昇している。産業としては、第1次産業である農業、特に米麦が主要産業であり、耕作面積としては佐賀県内10町でもトップクラスである一方、近年、就農者の高齢化や耕作放棄地問題が課題となっている。
商工業分野においては、従業員数ベースでは、医療、福祉・介護分野がトップを占め、食料品関係の製造業、運輸業、生産用機械器具製造業の順に続き、本町エリアで計9,400人規模の雇用実績があるものの、全てが地元雇用という訳ではないため、本町の生産人口約13,000人を下支えするほどのレベルには無いと判断している。このため就業に関しては、本町以外に流出している現状が浮き彫りになっている。このことから前述した人口増についても、周辺都市のベットタウン化という位置付けによる結果の人口増と推察する。
【地域の課題】
まず人口問題としては、前述のとおり過去7年転入超過、過去2年人口増という数字的を残すことができたのは、2012年度以来、定住対策事業に傾注してきた結果と分析する。具体的には、PFI方式を活用した官民連携での中所得者向けの住宅供給施策や子どもの医療費や給食費の無料化事業などであり、子育て世代の受入策を重点的に数多くの施策を展開してきた。この状況下であれば、2020年段階では、国立社会保障・人口問題研究所が発表した本町の推計人口と比して、1,000人を超える上方修正が可能となると推測しているところである。一方で、過去2年の人口増の実数としては、2017~2018年が76人、2018~2019年が147人の人口増であり、サイクルとして完全に軌道に乗ったと言える数字ではないと判断しており、今後の継続的なまちづくり施策が鍵を握っていると考えているところである。また人口増の一番の要因である転入増を分析すると、その転入先は隣接自治体である佐賀県鳥栖市、福岡県久留米市、佐賀県吉野ヶ里町が1、2、3位となっている。この結果から導ける結論は、商業圏域内での人口異動の結果ということになり、近隣エリア内での人口の奪い合いに一時的に勝っているに過ぎない状況が見て取れる。今後、近隣エリア全体の人口減少問題を考慮すれば、近隣エリア外からの転入も増やしていく必要があることは、明白な本町の課題である。
次に産業分野では、農業が主要産業ではあるものの、本町の営農者数の推移を見てみると、2014年1,003人であった営農者が、2019年には781人まで減少している。僅か5年で22%減少していることになる。当然、営農者の高齢化率も高く、55-64歳、65-74歳、75歳以上の3カテゴリー全てで、全国比率、佐賀県比率を本町が上回っている状況である。農林水産省の推進する営農組織の育成にも積極的に取り組んでいるものの、営農組織の構成員自体が高齢化している状況は打破できていない。この問題に起因して、生産量の減少や耕作放棄地の増加も新たな課題として浮き彫りになってきている。特に耕作放棄地の増加に関しては、住宅地近隣に耕作放棄地が増えることよるイノシシ被害の都市化問題も直近の連動した課題となりつつある。このような現状で、高齢営農者でも持続可能で、若い営農者の高収入に繋がるAI・IoT・RPAを活用した新たな農業を模索することが喫緊の課題と分析している。
最後に高齢者対策であるが、本町には、高齢化率が高い水準にあることに加え、もう一つ重要視すべき数値課題がある。それは医療費の高騰である。2017年度の本町の一人あたり国保医療費は550,121円で佐賀県ワースト1位であり、2018年度後期高齢の一人あたり医療費は1,169,678円でこの分野でも佐賀県ワースト4位となっている。この数値は、地理的要件にも起因していると推察するが、本町は高度医療が充実した福岡県久留米市と隣接しているだけに、急性期医療に関しては安全安心と言えるものの、厚生労働省も推奨するセルフメディケーションという分野においてはどうしても立ち遅れていると言わざるを得ない。この結果、医療費の高騰、町財政の逼迫、ひいては高齢者が安心して暮らすことができないまちへ衰退していくという課題が表面化している。
【目標】
これらの課題を克服するために、2015年に宣言した「健幸長寿のまちづくり」を更に推進する。そのために(ア)「メディカルコミュニティみやき」複合施設を完成させ、そこで展開する健幸長寿施策を充実することで、健康寿命の延伸を図り、みやき町における医療費負担による財政圧迫の軽減と高齢者がいつまでも安心して暮らすことのできるまちづくりを狙う。(イ)移住の受け皿であるすべての人が快適に暮らせるまちとして、コンパクトなまちづくりを推進し、地域住民の利便性を高めつつ、働く場の確保として企業立地スペース整備を図る。(ウ)また新たな形での農業形態を構築し、基幹産業である農業分野の振興を図りつつ、健康な高齢者の活躍の場としても条件整備を進めていく。(エ)さらにAI・IoT・RPAを住民福祉、産業振興、防災等の面で住民生活の向上と地域活性化を推進する。(オ)スポーツ振興、特に女子スポーツの振興をまちづくり事業に組み込むことにより、女子プロスポーツ政策の安定化、地域貢献型事業の展開による地域住民に対するスポーツ振興=セルフメディケーションの定着、地域で一流選手を育てる教育システムの構築により、本町での選手育成⇒日本各地・世界で活躍⇒本町にUターンしてのセカンドキャリアというスポーツ選手のライフサイクルを確立し、定住促進に寄与する。
(カ)心の原風景としての郷土の景観を積極的に保全し、住みよい故郷という意識を若年者に周知することにより、UIJターンに結び付く下地づくりとしての環境整備を行う。(キ)最後に上記の事
業推進にあたり、地方創生SDGsの考えを取り入れ、あらゆる関係者と協働で地域課題に取り組む、という7本の柱を本計画期間における基本目標として掲げ、「地域住民が健康で、幸せに、意欲的で、誰もが活躍することが持続可能なまち」を目指す。