関連するSDGs目標
概要
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地域再生計画の目標
本町では、以下のとおり分野ごとに現状と課題を捉え、それぞれの課題解決に向け重点施策を掲げ、取り組んで行きます。
現状と課題
(1)人口の推移と見通し
国勢調査によると、川南町の総人口は、1985年の18,480人から、2015年に16,109人となり、この30年間で約2,300人、12.83%減少しています。なお、住民基本台帳によると2021年で15,490人となっています。この原因は、本町が、バブル期から続く大学進学率の上昇や都市部への就職の増加に伴う、若年の流出による慢性的な社会減の状態にあることで、2020年には転入数522人、転出数544人で22人の社会減となっています。また、2000年頃からは出生数より死亡数が多い自然減の状態であり、人口減少に歯止めがかからない状況です。2020年では出生数85人、死亡数215人で130人の自然減となっています。
さらに、近年では、大学進学率の上昇や日本全体の人口が減少していることによる労働力不足により、都市部の人口吸引力が高まり、地方の若者の流出に歯止めがかからない状況を生んでいます。あわせて、出産する世代の人口が相対的に少ないことに加え、晩婚化が進み、未婚率も上昇していることから、出生数が減少し、自然減は加速しています。国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)の推計においても、現在の状況が継続した場合には本町の総人口は2060年で6,958人と加速度的に減少すると見込まれています。
(2)人口分布と土地利用
本町は、農用地が36.0%、森林が35.5%を占め、この2つで全体の71.5%を占めています。人口分布をみると、戦後の開拓によって農地と住環境がともに広がっていった本町の歴史がよく表れており、農地と住環境が町全域に広がっていることが確認できます。また、鉄道やバス等の公共交通機関の利用圏に主眼をおいて人口分布をみると、周辺自治体は駅を基点とした人口の集積がみられるのに対し、本町では駅と居住区が分断され、国道10号線沿線に人口が集積していることがわかります。
これらの状況は、本町が自動車に依存したまちを形成していることを示しており、高齢化に伴い増加すると予想される交通弱者対策を含め、第1期総合戦略でも目標とした「小さな拠点とコンパクトなまちづくり」や集約型都市構造など都市デザイン的観点からのまちづくりを継続して推進する必要があります。一方で、海岸部を走る鉄道や河川周辺ではなく、台地にまちが形成されていることによる災害に対する強靭性は、本町の大きな強みであるといえます。この強靭性は、単位自治体としてだけでなく、生活圏や地域循環共生圏、県域など広い視点で、本町の果たす役割を問うものとなります。
しかしながら、通浜地区や平田川の河口域の津波浸水想定地域に指定されている地域などもあり、災害への対策が求められています。
(3)結婚・出産動向分析
①合計特殊出生率の推移
本町の合計特殊出生率は、1983-1987には2.2でしたが、2003-2007に1.71まで低下しました。その後2008-2012には1.78とわずかに回復したものの、2013-2017には1.67と再び過去最低を記録し、県内26市町村の中でもワースト4位の水準となっています。また、有配偶出生率も103.6から77.0と大きく減少しています。
②未婚率の推移
本町の年齢階級別未婚率(全体)をみてみると、2015(平成27)年国勢調査で25歳~29歳、40~44歳についてはわずかに回復しています。男女別にみてみると、男性では20~29歳、女性では20~24歳の未婚率が大幅に上昇しており、特に男性の晩婚化傾向が強くみられます。
③考察
以上のことから、合計特殊出生率が1.67に下がった要因として、①有配偶出生率が下がったこと、②晩婚化が進んだことが挙げられます。合計特殊出生率の目標値達成のためには、より一層、結婚・出産・子育てに対する心理的、経済的な負担を軽減する支援が必要です。
(4)小中学校関連
町では、第1期人口ビジョン及び総合戦略において、人口減少により小中学校の児童生徒数が減少し、子どもたちの教育環境が大きく変化していくことを指摘し、「まちに新しい人の流れをつくりだす小さな拠点とコンパクトなまちづくり」を目指して各種施策に取り組んできました。「子どもたちを“人財”として育てるため、学校を統合し、多彩で充実した教育環境を創出する」施策として、中学校の統合にも取り組み、2016年度(平成28年度)には、学校再編に関するアンケート及び町民参加の座談会を開催しました。こうした取組を背景に、2018(平成30)年11月に学校規模適正化審議会に、「唐瀬原中学校と国光原中学校を統合し、町立中学校を1校とすることについて」の諮問がなされ、翌年3月には「両中学校の統廃合はやむを得ないものと考える。」との答申を受けることとなりました。
「“まちづくり”は“ひとづくり”」といわれるように、ひとづくりの根幹をなす学校のありたい姿・将来像が、未来のまちの礎となっていくことが期待されています。
(5)年少人口及び生産年齢人口
本町の15歳未満の年少人口の割合は、1985年に約25%を記録して以降、減少を続け、2015年には14%となっています。今後もこの減少傾向は続き、2040年には約10%にまで減少すると推計されており、小学校入学児童数が町全体で90人を切ると見込まれています。また、14歳から65歳までの生産年齢人口は、1985年に62%でしたが、以降減少を続け、2015年には55%となっており、2055年頃に総人口の約40%になると推計されます。人口に占める割合でみると2015(平成27)年から約40年かけて緩やかに減少していくものと見込まれますが、人口でみると2055年には3,201人になり、およそ5,600人が減少することになります。更に、2060年には、2015(平成27)年の生産年齢人口の1/3を割り込むと推計されています。
「生産年齢人口(15~64歳)」対「老年人口(65歳以上)」の比率でみると、1985年には5人の生産年齢人口で1人の老年人口を、2010年には2人の生産年齢人口で1人の老年人口を支えており、2040年には1人の生産年齢人口で1人の老年人口を支えることになる見込みです。また、生産年齢人口の対象を15歳から74歳までとした場合、2060年の人口は約3,800人となると見込まれますが、その効果は減少スピードを約10年遅らせる程度にとどまります。
このような推計が現実となれば、後継者不在による廃業だけでなく、従業員不足によって廃業する事業者が出てくることなどが予想され、生産年齢人口の減少は本町の産業にとっても深刻な問題として捉えていかなければなりません。全国的に人口減少による労働者不足が進み、従業員不足による廃業まで発展すると、都市部の人口吸引力が一層強くなることも予想されます。今、私たちは、公民問わず、あらゆる組織・個人において、まちの生産性と圏域経済循環を高めていく覚悟が求められています。