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概要
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地域再生計画の目標
徳之島町は、鹿児島県奄美群島にある人口約11,000人の島である。耕地面積が奄美群島12市町村の中で3番目に大きく、さとうきびを主体に園芸作物、畜産(肉用牛)との複合経営の農業を基幹産業としている地域である。鹿児島市から南南西468㎞、太平洋と東シナ海の接線上に浮かぶ外海離島であり、かつ台風常襲地帯という地理的な不利性も持っている。また、1946年にアメリカ軍政下に置かれ、1953年に日本復帰するという歴史的背景を有しており、本土との地理的な距離とアメリカ軍政下に置かれたこと等によりインフラ整備が遅れた。
本町では1960年から1973年までの高度経済成長期の影響を受け、島を出て本土で就職する人が増加し、人口が大幅に減少し、現在に至るまで人口減少が続いている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後、人口は緩やかに減少を続け、2040年には約8,400人になるものと推計されている。また、大学等の高等教育機関がない本町においては、高校卒業後に8割以上の生徒が島外へ転出するが、15~19歳から20~24歳になるときに約380人という大幅な転出超過(2005年→2010年の人口移動)となっていることに示されているように、高校卒業後の島外転出に歯止めが効かず、人口減少の抑制に不可欠である「ソーシャル世代」(社会や地域、環境をよりよくしていこうという志向をもつ若者世代)のUターン傾向が弱い。Uターンを大きな傾向にするためには、中高校生が進学等で島外へ転出する前に島の魅力と課題に気づき、その課題解決に挑むために島に帰るという起業家マインドを醸成することが必要であるが、中高校と連携した島の地域課題解決型の教育プログラムを構築できていない。そのため、本町人口ビジョン策定時に行ったアンケート調査において、「島は自分の夢をかなえる場所ではない」といった考え方が大半となっている。
人口減少の最も大きな原因は人口の維持に大きく貢献する若者が地元に定着していないこと、つまり離島による若者の社会的転出が大きな要因であると言わざるを得ない。外海離島にある本町においては時間的・地理的な条件不利性を有しており、企業誘致等の外部依存による経済活動は困難である。また、台風常襲地帯であることから、農業生産の不安定性を常に有し、基幹産業である農業が若者の仕事の選択肢になりにくく、新しい生業(ナリワイ)創出が不可欠である。一方、島には国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギやトクノシマトゲネズミ、徳之島固有種であるハツシマカンアオイ、トクノシマエビネ等の世界的にも貴重な動植物が生息している。人間の暮らしがこれらと共存してきたことが評価され、奄美群島はわが国で初となる「環境文化型国立公園」に指定され、徳之島は奄美大島、沖縄島北部及び西表島とともに2020年の世界自然遺産候補地となっている。
このような中、徳之島町では豊かな耕地を生かしたマンゴーやパッションフルーツ等の付加価値の高い園芸農業や首都圏百貨店と連携したこれら農産物を原材料としたジェラート等の特産品開発による雇用創出を進めている。また、前述の貴重な動植物及びサンゴ礁等の自然環境や伝統文化が息づき、都市部では困難な時間や場所にとらわれない新しい働き方が可能な場所として島をプロモーションし、都市部企業等のテレワークを誘致している。併せて、都市部企業等との共創による島の課題解決に向け、島内人材を対象としたデジタルコンテンツ制作を担うことのできるクリエイター育成や2020年に初等教育で必修化されるプログラミング教育を自治体主導で進めている。
これらの課題に対応するため、世界的な価値が認知されつつある稀有な自然環境とそれらと共存してきた人の営み等の地域資源をIoT・AI等の現代のテクノロジーで磨き上げ、島内外へ訴求し、価値創造を図ることで、Society5.0が目指す「経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」を推進し、次の基本目標を掲げ、取組を実施していく。
基本目標1徳之島町における安定した雇用を創出する
基本目標2徳之島町への新しい人の流れをつくる
基本目標3若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
基本目標4時代にあった地域をつくり、安全な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する